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4/08/2012

日英防衛装備共同開発に思う

先週半ば(4・5日)に各紙一斉に――もっと早くに産経が取り上げていたが――報じられた、日英での防衛装備/武器共同開発の話に感慨ひとしおになった。昨年末に武器輸出三原則を緩和し、従来「例外的に」米国と行なっていたのを除けば、日本が初めて組む先が英国になる。先のF-X選定でユーロファイターを選ばなかった埋め合わせともあるけれど、そうでなくともIISS発行のMilitary BalanceやストックホルムのSIPRIの報告書にある通りにアジア地域の国防予算は現在ハイペースで拡大しており、「市場」として欧米は大いに注目している。英国側からすれば足掛かりを築くというのもあるだろう、歳出削減の影響で厳しい――工場を閉めて従業員を解雇している――国内防衛産業にとっても共同プロジェクトはプラスになるのだろう、たぶんおそらく。

約1年前、マスター留学している際に、幸運にもRUSI(英王立統合国防安全保障問題研究所)でリサーチアシスタントをする機会に恵まれたが、その時扱ったのが何を隠そう「日本の防衛産業」だった。契約上守秘義務があるから詳細は一切伏せるが、我が国の防衛省にどんな装備を納入しているのかとか、海外の(畢竟、米国の)どの防衛企業と関係が深いのかとか、もっと言えば政治的スキャンダルや天下り関係について、クライアントの某企業(下っ端だったので具体名は知らない)に提出する研究報告書のためのリサーチを担っていた。

(こう書くとなんだかスパイっぽいけれど、全てオープンソースインテリジェンス、ネット上で収集できる公開情報に基づいてのものだ。当局関係者へのヒアリングはボスの担当であり、自分はせいぜい日本語ソースを翻訳してブリーフィングするのが主だった)

携わっていた時はF-Xが主眼だったろうが、兎にも角にも、あちらさんが日本に関心を持っているんだということはこの経験から知ることができた。繰り返すが下っ端だったので多くは知らされていない、それでもあの時研究プロジェクトに短期間だったが参加し、報告書の形になったものがこういう場面で何かの役に立って両国の安全保障の領域での協力に資することがあったらいいなあと思う。

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